小売業3社の事例から見るキャパオーバーを防ぐ業務効率化

はじめに

日頃の業務においてキャパオーバーだと感じたことはありませんか？もしくは、仕事でパンク寸前の従業員を抱えていませんか？昨今、様々な業種業界で人手不足が叫ばれていますが、このように感じて悩まれている方は多くいらっしゃるかと思います。

キャパオーバーになりやすい人の特徴として、責任感が強い、頼まれたことを断れない、スケジュール・タスク管理が苦手等、様々な要因が存在しますが、どんな理由であれ仕事がパンク寸前の状態にあることは望ましくありません。

この記事では、人手不足に悩む経営陣や、キャパオーバーに苦しむ現場で働く方々に参考になる、現代の働き方に即したキャパオーバー解消の方法を紹介します。

人手不足がもたらす影響

そもそも人手不足は、少子高齢化による労働人口の減少が最も大きな原因とされています。帝国データバンクの2020年の調査によると、人手不足を感じている企業は全体の約３割であり、特にコロナ禍において飲食やホテル業界で従業員の需要が減ったことによる影響が大きく、2022年には約半数の5割もの企業が人手不足を感じていました。

パーソル総合研究所によると、2030年には労働人口が644万人不足し、潜在的な人手不足は今後も深刻化が予想されており、従業員がキャパオーバーだと感じる機会は年々増加するでしょう。

仕事がパンクしそうになると、現状を改善するために「いまの自分が本当に注力する仕事何か」や「もっと効率的に仕事を進めることはできないか」などと考え、色々と創意工夫を図ることでしょう。そうして従業員の意識改革やスケジュール・タスク管理の最適化で人手不足を解消できるに越したことはありませんが、現実はそう簡単ではありません。

キャパオーバーに不満を覚える従業員が増加すれば、離職率が上がることでより人手不足になってしまうことが懸念され、「人手不足」→「キャパオーバー」→「現状への不満」→「離職率増加」→「人手不足」の負のループに陥りかねません。

つまり、時流による人手不足の解消が難しい昨今において、従業員のキャパオーバーを解消するには、何らかの方法で省力化を実現し、人手不足を補う必要があります。

人手不足によるキャパオーバーを解消するには

前項で人手不足による従業員のキャパオーバー解消のためには、省力化が欠かせないとお伝えしましたが、それにつながるものとして、「社員が働きやすい環境をつくること」があります。この“働きやすい環境“を生み出すことにより以下のようなメリットが考えられます。

• 従業員の生産性や作業効率の向上
• 社員同士のコミュニケーションの円滑化
• 仕事をする上でのモチベーションの向上
• 新たな優秀な人材の流入、離職率の低減

“働きやすい環境”を作るためには、福利厚生の充実や働く時間・場所の柔軟性、風通しの良さなどが求められる適切な職場環境であったり、業務効率化のためのツールの充実や教育環境の整備、資格支援制度などが求められる良好な成長環境だったりが必要になります。

この“働きやすい環境”の中でも、特に従業員のキャパオーバー解消のための省力化に効果的なものとして、“業務効率化”があります。

業務効率化によって、生産性や作業スピードの向上がもたらされ、業務負担や労働時間が適正化されれば、社員のキャパオーバーを防ぎ、満足度向上、ひいては離職率の低下が見込まれます。

労働人口が減少し続けるトレンドは、冒頭述べた通り簡単には変わらないでしょう。

だからこそ、はじめから優秀な人材を呼び込もうという環境を整えるのではなく、まずは今いる社員一人あたりの生産性を向上し、少ない人手でも大きな利益を得られるような業務効率化の仕組みづくりを重視し、社員一人ひとりの満足度を向上させる労働環境を生み出すことが重要です。

顧客側から見た小売業３社の業務効率化事例

人手不足による社員のキャパオーバーを解消するためには、業務効率化が欠かせませんと述べましたが、どのような業界・職業でどのような業務を効率化したいかによって、その方法は多岐にわたります。

例えば、小売業におけるDX化の事例として下記３点を見てみましょう。

A. ユニクロ

ユニクロでは、オンラインショップで注文しておき、店舗に取りに行けば送料無料というサービスで利便性をアップさせています。一方、オーダースーツについては、店舗で採寸をしてもらい、気に入ればオンラインストアから注文が可能です。Yシャツなら最短翌日、ジャケットは最短3日でスピード配送されることで人気を集めています。

B. 三越伊勢丹

三越伊勢丹は、リモートショッピングアプリをいち早く導入して注目を集めました。単なるオンラインショッピングではなく、まるでデパートに出かけた際と同じように、接客が受けられます。ビデオチャットを通じておすすめの商品を紹介してもらったり、店舗を移動しながら好きなものを買ったり、商品状態やおすすめポイントを確認しながら自由にお買い物ができます。コロナ禍でデパートに行かなくなってしまった方を中心に人気を集めたほか、今では近くにデパートがない方やご高齢などの事情でデパートに行けなくなってしまった方にも人気です。

C. IKEA

IKEAといえば、大きな店舗で楽しみながら買い物するイメージですが、郊外に行かないと買い物できないのが難点でした。DX化により、都心にスモール店舗を展開することができました。小さな店舗ながら、人気商品を中心に直接体験してもらい、気に入った場合にはオンラインショップで注文してもらうという方法です。これにより、店舗に多くの在庫を抱える必要がないため、店舗のスペースを最小限に抑えられ、低コストでの出店が可能になります。

従業員側から見た小売業３社の業務効率化事例

前項はお客様側から見た時のメリットですが、それが従業員側から見た場合は、下記のようなメリット享受が出来ていることとなります。

A-2. ユニクロ

ユニクロのオンライン注文サービスは、従業員側には在庫管理や発送業務を行わなくても良くなるメリットがあります。従来は、店舗に足を運んで商品を探して購入してもらっていましたが、オンライン注文サービスによって、店舗では在庫管理や商品管理の時間を減らすができるようになります。採寸についても同様に、店舗では在庫管理の必要がなく、接客に注力出来るようになります。

B-2. 三越伊勢丹

三越伊勢丹の事例では、リモートショッピングアプリを使用することにより、従業員は店舗内を移動することなく、複数の顧客と同時に接続することができるため、店舗内での移動時間や細かな作業時間を削減することができます。また、リモート接客により、従業員は出勤前の時点で顧客との予約を取り決めることができるので、店舗到着時からすぐに接客に入ることが出来、来客待ちの時間を削減することもできます。また注文の自動処理システムもあるため、従業員は手作業の処理作業を減らし、より多くの時間を顧客とのコミュニケーションに充てることができます。これらにより、従業員はより効率的に接客を行うことができ、多くの顧客を同時にサポートできるため、店舗全体の効率性が向上します。

C-2. IKEA

IKEAの事例では、スモール店舗での直接体験を通じて商品を紹介し、オンラインショップで注文してもらうことで、従業員は在庫管理やレジ業務を省力化できます。また、店舗に多くの在庫を抱える必要がなくなるため、在庫管理業務も省力化できます。

上記のように、各社毎にどういった点を効率化していくべきかについては多種多様な課題感がおありになると思いますが、ツールの導入を含めたDX化を図ることで、大きな業務効率化を図ることが出来るようになります。様々なツールを試すというのは、現実的に困難であるため、まずは各課題を洗い出し、それらに適したツールの導入、DX化の推進を図ることが重要であると思います。

ほとんどの多店舗展開企業が抱える課題

店舗を運営している企業において、店舗情報の管理というのは、事業の根幹を為す重要な要素である一方で、それらの情報管理をきちんと行えている企業は非常に少ないというのが実態です。例えば、Pro-Sign運営企業である株式会社プロレド・パートナーズが、小売業・飲食業・サービス業の企業様へのコンサルティングの中で、非常によく挙がってくる課題に下記のようなものがあります。

Pro-Signは、コンサルティング会社が現場の声を吸い上げ、独自のノウハウや知見を凝縮して開発・提供する店舗情報の管理ツールですので、同様の課題をお感じの場合は、是非導入の御検討を頂ければと思います。

まとめ

Pro-Signのような、業務効率化ツールの活用は、現場のキャパオーバーに苦しむ従業員にも、人手不足に悩む経営陣にも、今後欠かせなくなります。

上手なツール活用による業務効率化で、キャパオーバーを防ぎ、適正な業務量を確保することで、人手不足を感じずに働くことが実現できるでしょう。

また、業務効率化ツールの導入は、人ならではのヒューマンエラー等のミスの削減にもつながります。是非一度、自社にあったツールの導入を検討されてみてはいかがでしょうか？