そのSaaS、きちんと使いこなせていますか?BPaaSで実現するコスト削減と業務効率化!
「当社の『Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスター』は、SaaSで、かつ、BPaaSにもなりますが、一般的なBPOではありません」と書いてしまうと、皆様を略語の迷路に誘い込んで、煙に巻くようで恐縮です。
この記事では、この迷路のような文に含む意図をお伝えしようと思います。
目次[非表示]
- 1.多店舗展開における店舗情報管理プロセスとは
- 2.BPaaSとは
- 3.SaaS運用の課題
- 4.Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスターを使ったBPaaS
- 5.BPaaS推進の3つのポイント
- 5.1.業務設計の負担
- 5.2.ベンダーロックイン
- 5.3.情報の利活用の難易度
- 6.BPaaS活用の留意点
- 7.まとめ
多店舗展開における店舗情報管理プロセスとは
業種や企業の規模によって違いはありますが、多店舗展開をされている企業様における店舗の管理プロセスを情報の流れとして見た場合はこの図のようになっているのではないでしょうか。
この図では、店舗管理業務を大きく「コアプロセス」と「サポートプロセス」に分けています。「コアプロセス」は、新規出店と既存店対応に関するプロセスです。
新規出店を細分化した業務としては、出店戦略策定のための調査や情報収集、出店計画立案があり、予算化・新規契約という流れになります。
また、既存店対応を細分化すると、定期的な管理業務、契約更新に関する業務、店舗を運営していく中で必要となってくる設備の修繕に関する業務等がありますし、やむなく撤退しなければならない場合に発生する業務もあります。
そして、それらの「コアプロセス」をスムーズに進めるため、「サポートプロセス」としての店舗情報管理の業務があります。
店舗情報管理業務とは、店舗に関する様々な情報を一元管理し、最新の状態に維持することですが、情報の維持自体が目的ではなく、コアプロセスである「新規出店」と「既存店対応」に一元管理された情報を提供することが本来の目的となります。
なお、店舗情報を最新の状態として維持するためには、逆に、新規出店業務と既存店対応業務からの情報の提供が必要です。ここで言う情報とは、物件情報、賃貸借契約やオーナー様の情報など店舗の基本情報もありますし、各企業様独自で必要と考えられる補足情報もあります。また、契約時・契約更新時の交渉履歴や修繕の履歴などの履歴情報も管理の対象となります。
近年、このサポートプロセスである店舗情報管理業務を外部の業者に委託(アウトソーシング)する事例を見かけるようになってきました。その理由は「コアプロセスに経営資源(ヒト、モノ、カネ)を集中させるため」です。
多店舗展開企業での情報管理業務には限りませんが、この外部への業務委託は、Business Process Outsourcingと表現し、BPOと略します。冒頭の迷路のような文にある略語のうちのBPOはこれを指しています。
BPaaSとは
冒頭の迷路文にはBPO以外にもSaaSとBPaaSという略語が使われています。ここでは、それらの略語についてお話しします。
インターネットが一般に利用されるようになって、日本では約30年になります。当初は電子メール利用、Webページの閲覧の目的でインターネットを利用していましたが、その後、データ交換やデータ保存等に利用されるようになりました。そして、現在は企業の情報システム構成の考え方としてクラウドサービスの利用が盛んです。
「クラウド」とはインターネットそのものやインターネット上で繋がったサーバーなどのコンピュータを意味しています。また、「サービス」は、「機能の提供」と読み換えるとわかりやすいと思います。つまり、インターネットを経由して情報システムの機能を提供することをクラウドサービスと呼ぶわけです。
クラウドサービスの基本的な考え方を言い換えると、「顧客となる企業それぞれでは情報システムの資源を持たず、サービス提供会社が情報システムの資源を準備して、インターネット上で機能を提供し、顧客企業がインターネット経由でそれらを利用すること」となります。
このクラウドサービスにはいくつかの種類があり、IaaS(Infrastructure as a Service インフラストラクチャ アズ ア サービス)、PaaS(Platform as a Service プラットフォーム アズ ア サービス)、SaaS(Software as a Service ソフトウェア アズ ア サービス)などがその代表例です。
IaaSで提供されるものはインフラストラクチャ、つまり、情報システムのハードウェアとしてのサーバー機能です。その利用方法や目的は利用者が自由に考えることができます。
PaaSはプラットフォーム機能を提供します。プラットフォームというのは業務システムを開発するための環境や開発したシステムが稼働するためのしくみのことです。つまり、IaaSを使える形に整えたものと言えます。
SaaSは、さらにその上で業務システムを作り上げて提供し、利用者はそのシステム自体を利用することになります。
当社の「Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスター」はこのSaaSとして皆様に機能を提供させていただいます。
では、もうひとつの略語のBPaaSとは何の略でしょうか。
BPaasはBusiness Process as a Service(ビジネスプロセス アズ ア サービス)の略で、ビーパースと読みます。
IaaSの上でPaaSが生まれ、その上でSaaSができたことを考えると、SaaSの上に何かが載っていると考える流れとなりますが、SaaSの上にビジネスプロセス(BP)が載っているという答えになります。
つまり、BPaaSとはSaaSを利用した業務をアウトソースすることを意味しているのです。つまり、BPaaSはSaaS+BPOということになります。
実は、これはとても合理的な考え方で、業務をアウトソースする際に、標準機能を搭載することを目的として開発されたSaaSを使うと、業務設計の手間をかけずに業務委託ができてしまうというメリットがあるのです。
SaaS運用の課題
当社の「Pro-Sign」の話ではありませんが、SaaSに関して、ここに興味深い調査結果があります。
2023年に行われた「大企業のSaaS活用に関する実態調査」では、従業員1,000名以上の大企業を対象にしたSaaS利用に関するアンケート調査の結果として、「大企業の74.7%が何らかのSaaSを導入しているが、そのうちの約6割が十分に使いこなされていない、または、使われていないSaaSである」と指摘しています(テックタッチ株式会社 2023年7月4日 プレスリリースより引用)。
また同時に、その原因と対策を次のように分析しています(前述のプレスリリースから一部を抜粋)。
SaaSを十分に使いこなせていない/使っていない理由
- 複雑なシステムの分かりにくさ
- マニュアルの作成・修正ができる従業員不足
- 従業員が意図した通りに使ってくれない、定着せずに想定通り使っていない
- システムの価値・重要性が従業員に伝わっていない
- 従業員のシステム誤入力・誤操作のリスク
- データ移行の難しさ
使えていないSaaSの再活用に向けた対策
- システムを活用できる人員の雇用
- サービスごとのマニュアル作成
- 勉強会・研修会の開催DAP(システムの早期定着・利活用サービス)の活用
- 導入目的と機能の見直し・社内周知
- 問い合わせ窓口の増員
- PDF資料にある「システムを導入するも、運用面に課題を抱えているケースは多い」のページを解説する
現在、当社ではこれらの課題解決のために「Pro-Sign」のBPaaSでの利用を提案しています。
「Pro-Sign」が多くの企業の経験と知識をベースに開発した優れたシステムであることから、サポートプロセスである店舗情報管理の業務を当社にお任せいただければ、システムのメリットを活かして「契約したSaaSを十分に使いこなせていない/使っていない」という課題の多くを解決することができます。
つまり、SaaSの再活用に向けた対策をBPaaSで代替させようというアイデアです。そして、その課題解決は「経営資源のコアプロセスへの集中」へと繋がるのです。
Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスターを使ったBPaaS
上記のように、当社では、「Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスター」を使ったBPaaSを積極的にお勧めしていますが、対象となる業務は以下の通りです。
契約書類等の登録
契約書や権利関係書類等、重要書類のPDF化やデータ登録をプロレド・パートナーズにて代行します。これは、それまでに保存されていた資料を段ボールに詰め込んで共有していただくだけで実施可能です。 この作業は、一般の外部企業に頼むと数十万~数百万のコストを要しますが、プロレド・パートナーズではリーズナブルな価格でお引き受けいたします。
補足情報の入力
システム入力の元データとして整備されていない過去の経緯やトラブル等の情報でも、ヒアリングを実施し、可能な範囲でシステム上へ登録します。
運用アウトソース
契約の更新、関係する情報の変化、履歴情報等、日々増え続ける情報も当社のPro-Signチームへ都度共有いただくことで、アップデートを実施し、運用を丸ごとアウトソースすることが可能です。
BPaaS推進の3つのポイント
どうして、当社がBPaaSを積極的に推進するようになったのでしょうか。それは、SaaSが持つ課題がカバーできるという点もさることながら、企業様におけるBPOの要請の高まりとともに、当社のサービスが一般のBPOの欠点もカバーできている点にあります。
それについて3つのポイントを説明させていただきます。
業務設計の負担
一般のBPOには、業務を開始する前に業務設計という厄介な準備作業がついて回ります。BPOを請け負う業者は、自分たちの知識で業務を設計するわけではなく、顧客となる企業の「やりたいこと」「今やっている方法」を聞き取り、それをもとに業務プロセスを設計していきますので、要員面でも時間面でも顧客企業側に大きな負担となります。
また、ヒアリングをもとに、顧客ごとに違うプロセスが出来上がり、その結果、運用コストが高くなってしまうという欠点があります。
当社のBPaaSでは、オーダーメイドでプロセス設計をするわけではなく、多くの企業の経験や知識をもとに開発されたシステムを利用するため、ビジネスプロセスの分析などの初期作業が不要になります。その点で、企業様の負担感は最低限に抑えられることになります。
ベンダーロックイン
もうひとつのポイントは「ベンダーロックイン」です。実は、アウトソーシングには「ベンダーロックイン」の問題がついて回ります。ベンダーロックインとは、業務を外部委託すると、委託先には経験と知識が蓄積されていくものの、発注した側に経験と知識の空洞化が発生することを指します。この空洞化が意味するのは、委託先の言いなりになってしまい、外注先を変更することができなくなってしまうことと、外注化した業務を内部に戻そうとしても戻せなくなってしまうことの2点です。
ただ、当社のBPaaSは、SaaSとしてのPro-Signをベースにしており、常に業務の中でPro-Signを活用頂く環境を構築しますので、知識や知見が空洞化することがありません。
情報の利活用の難易度
3つ目のポイントは情報の利活用です。BPOにしてもBPaaSにしても、業務を外部に委託する際、情報の利活用は社内で行う必要があります。それは、最初の章でお話しした「コアプロセスへの情報の提供」です。定常業務としての情報の抽出やレポートの作成はBPOとして業務設計の範囲に入れておけばカバーできますが、非定型の分析業務や突発的な用件での情報の利活用については、外部業者に依頼することができません。やはり、それは業務の意図がわかった内部の要員でないとできない仕事です。
そのためにもわかりやすく設計された「Pro-Sign」は戦略的な価値を生むことができるのです。
BPaaS活用の留意点
ただ、当社のBPaaSにも以下の留意点があります。
- 標準管理項目以外の自社独自の管理情報は、補足項目として予め当社に伝えておいていただく必要があります。「Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスター」は柔軟に追加項目の登録ができる仕組みですが、一元的な情報管理のためには、前もって、わかる範囲で追加項目を決めていただいたほうが合理的です。
- 情報の発生、変更はタイムリーにお伝えいただくことが重要です。うっかりして、情報の登録をしなければ、利活用に支障が生じます。また、情報は新鮮さが大切です。欠落した情報や古い情報ではコアプロセスへ提供する情報の品質も下がってしまうことになります。
- 情報の登録の際の不明部分の確認や追加項目の設定の相談窓口として、ご担当者を指名していただく必要があります。
- データの戦略的な利用のために、データの利活用をされる方はシステムの仕組みの概要とそれぞれのデータ項目の意味は知っておいていただきたいと思います。データが正しくてもデータの使い方を間違うと間違った結果を招いてしまうからです。
まとめ
最後に、この記事の冒頭にある迷路のような文章をわかりやすく書きなおしてみたいと思います。
当社の「Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスター」は、皆様の社内で運用していただくSaaSシステムとして開発いたしました。ただ、それだけではなく、店舗情報管理のプロセスそのものをお手伝いするBPaaSとしての利用も求められていることがわかってまいりました。その実現は、それほど難しい話ではありません。
なぜならば、「Pro-Sign多店舗展開企業向けオリジナル店舗マスター」利用のBPaaSは、一般的に行われる業務のアウトソーシングではなく、多くの企業の経験や知識をもとに標準化された合理的な運用設計になっているからです。
つまり、このシステムは、SaaSとしてのご利用だけではなく、BPaaSとしてのご利用形態も提供可能だと言えます。
当社プロレド・パートナーズはコンサルティング業務を基礎に、SaaSの開発を行い、BPaaSも行えるという強みを持っています。また、BPaaSをも超えて、コスト削減に向けた協議や、物件オーナー対応等の定常業務の提供も可能ですし、それによって、企業様は元来の店舗開発の目的である新規出店に集中するという考え方もできます。
店舗情報管理のBPaaS、および、その他の業務のご依頼についての詳しい情報は当社の担当者にお問い合わせください。
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