覚書とは?注意点やポイントを分かりやすく解説
土地や建物・駐車場の賃貸借契約の中には、「覚書」が締結されるケースが数多くあります。この記事では、覚書と契約書の違いや、注意点について解説していきます。
覚書と契約書・念書の違い
企業間の契約や企業と個人(オーナー)の契約では、「契約書」「覚書」「念書」など、様々な書面が取り交わされます。それぞれの書面の役割や効力について解説します。
・覚書とは
覚書とは、契約書の形態のひとつで、当事者双方が約束・合意した内容をまとめた簡潔な書面のことを指します。表題(タイトル)のつけ方で契約書と比べて法的な効力に違いが出ることはありません。
・契約書とは
契約書とは、当事者双方の意思表示の合意をまとめた書面のことを指します。契約において特定の方式は定められていないため、口約束でも契約は成立します。しかし一般的には企業間での契約では、内容を記した契約書を作成し、署名捺印または記名押印により合意をします。例えば、土地や建物の賃貸借契約では、賃料・契約期間・支払い条件など細かく条件を設定しているケースが多く、当事者双方が契約内容について明確に確認するために契約書が作成されます。
・念書とは
念書とは、約束したことを文書にした書面のことを指します。覚書と似ている部分もありますが、違いとしては当事者双方ではなく、どちらか一方がもう一方に対して約束を果たす場合に作成する書類のため、念書に法的な効力は発生しないのが特徴です。
覚書の法的拘束力
契約書や覚書に、タイトルをつける際のルールは定められておりませんが、契約書のタイトルに関しては、契約内容が一目で分かるようにつけられているケースが多いと言えます。例えば、「土地賃貸借契約」「建物賃貸借契約」「売買契約」「秘密保持契約」などが挙げられます。一方で「覚書」といった、それだけでは契約内容が分からないタイトルであったとしても、当事者双方の意思表示の合意により契約が成立していれば、法的な効力に変化はありません。
覚書のメリット
上述した通り、契約書と覚書の法的拘束力に違いはありませんが、当事者双方が約束・合意した内容をまとめた簡潔な書面を残す場合に、覚書が用いられるケースが多いようです。また、覚書を作成することで当事者双方の確認項目が減り、契約書に関する事務処理負担の軽減に繋がる他、長期的な契約に関する契約条件の変更履歴が分かりやすくなるといったメリットがあります。
具体的には以下のような場合に用いられることがあります。
①基本契約に対して、個別の契約条件を定める「覚書」
②契約期間の変更や賃料など金額面の変更、条件の追加など既に契約関係にある両者で締結される「契約条件変更の覚書」
まとめ
覚書は、当事者双方の合意内容を簡潔にまとめた書面で契約書との法的拘束力に変わりはないため、用途に応じて適切に使い分けることをお勧めします。Pro-Signでは、契約の変遷や変更履歴を管理できる「バージョン管理」という機能があり、契約の過去の履歴を簡単に遡ることができます。賃貸借契約書管理にお悩みの方は是非、Pro-Sign賃貸借契約書管理システムまでお問い合わせください。