【現場担当者のFAQ】今さら聞けない?新リース会計基準に関するQA集
はじめに
2027年4月に適用が迫る新リース会計基準。
「概要は理解したが、実務レベルでどう対応すればよいのか…?」
と感じている現場担当者も多いのではないでしょうか。
新リース会計基準は、経理部門に留まらず、総務や店舗開発など他部門にも大きな影響を及ぼします。
本コラムでは、基礎知識の整理とともに、実務上の注意点やポイントをわかりやすく解説します。
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そもそも「新リース会計基準」とは?
新リース会計基準の概要についておさらいしておきましょう。
これまでは、「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」に分けて処理が行われてきましたが、新リース会計基準適用後は、この区分が原則廃止され、すべてのリース契約を「資産」として貸借対照表に計上しなければなりません。
その結果、リース資産とリース負債が財務諸表に計上され、企業の経営数値の見え方が大きく変わることになります。
現場担当者が押さえるべき3つのポイント
リース契約の識別と分類
最初に取り組むべきは「これはリースに該当するのか?」という識別作業です。
設備のレンタル契約やサブスクリプション契約など、多様な取引が存在する中で、リースに当たるかどうかの判断は非常に重要となります。
リース契約に関する基準や定義は細かく規定されているため、契約書に記載された条件を正確に読み解き、会計基準に基づいた判断を行う知識が求められます。
会計処理の流れと注意点
新基準に基づく仕訳の基本的な流れは以下の通りです。
- 初回:リース資産/リース負債(割引現在価値)の計上
- 毎期:リース資産の減価償却と利息費用の計上
- 契約変更:条件に応じた再評価・再計上が必要
処理フローを誤ると決算に大きな影響を及ぼすため、初動対応が極めて重要です。
必要な社内連携と情報収集
新リース会計基準対応は経理だけで完結しません。例えば
- リース契約の管理 → 総務・購買部門
- 現場設備の更新・移設 → 各事業部
- システム・会計ソフトの更新 → 情報システム部門
リース契約の変更や更新が、いつ・どこで・どんな形で発生しているかを社内全体で把握することがカギになります。
実務対応は「3つのポイント」でOK…でも?
リース契約の識別、会計処理、社内連携——
これらが基本であることは間違いありません。
しかし、実務の現場では「教科書通りでは判断がつかない!」というケースも多々あります。
たとえば…
「これって本当にリース?」
「自動更新って、どう期間を取るの?」
「金額が小さくても資産計上?」
こうした疑問に答えるべく、実務で本当によくあるQ&Aを以下にまとめました。
自社の状況に照らし合わせながら、ぜひチェックしてみてください。
実務でよくある質問例(さらに知りたい方へ)
- 少額のリース契約も資産に計上するの?
- 自動更新のリース期間はどう扱えば?
- リース契約中に条件変更があったら?
- 賃料以外でオンバランスの対象になる費用は?
- 非リース要素って具体的にどんなもの?
- 従量課金の契約形態はリースに該当する?
…など、実務では疑問が尽きません。
こうした現場で本当に起きている「あるあるケース」を詳しくまとめたホワイトペーパーを現在ご用意しています。
新リース会計基準導入対応のためのチェックリスト
以下のようなチェックリストを活用しながら、計画的な対応を進めましょう。
チェック項目 |
対応状況 |
リース契約の洗い出し |
□ 済/□ 未 |
リース資産・負債の算出 |
□ 済/□ 未 |
経理システムやERPの対応確認 |
□ 済/□ 未 |
社内ルールの見直し・マニュアル整備 |
□ 済/□ 未 |
社内関係部署との連携体制構築 |
□ 済/□ 未 |
おわりに
新リース会計基準への対応は、単なる会計処理の変更に留まらず、企業全体の契約管理や資産管理の見直しの好機とも言えます。
この機会に、リース契約の運用方法や管理体制、関連する社内プロセスを再確認し、より効率的で透明性の高い仕組みの構築を進めましょう。
また、実務でよくあるQ&A集をおまとめしているので、ぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。
新リース会計基準の適用にあたっては、早期の準備と計画的な実施が成功の鍵となります。
財務面だけでなく、経営全体のリスク管理や経営判断にまで影響するため、組織横断的な連携のもと、しっかりとした内部体制の整備を進めましょう。