飲食店経営者に必要な「食品衛生責任者」の資格とは?経営に関する情報管理方法をご紹介
「食品衛生責任者」は、飲食店を開業する際に必ず設置しなければならない資格です。
食品衛生責任者は、常に最新の食品安全に関する知識や情報を習得・管理していく必要があります。具体的には法令内容の理解や社内環境の整備、書類の作成などです。
そこで今回は食品衛生責任者の資格に関してお伝えし、食品の安全を守る大切さと情報管理を効率的に行う対策を紹介していきます。
食品衛生責任者の基本情報
「食品衛生責任者」は、営業許可施設及び営業届出施設が各施設に設置しなければなりません。
食品衛生責任者は営業者の指示に従って、衛生管理に当たります。またHACCPに沿って衛生管理を遵守するために必要な注意をし、必要に応じて営業者に対して意見を述べるように努めることと、食品衛生法に規定されています。
なお、HACCPとは食品事業者が食中毒菌汚染や異物混入といった危害要因(ハザード)を理解し、原材料を入荷してから製品を出荷するまでの全工程を管理し、ハザードの除去や軽減を目的とする国際規格です。
「食品衛生責任者」は、飲食店も含めて、食品を扱う施設においてHACCPを中心とした食品の衛生管理に関する責任者として置かれるものです。したがって、例えば設備の衛生確認や、スタッフの健康管理、食材の保管・加熱方法の確認等を行います。
こうした作業を怠ってしまえば食中毒が発生してしまう等、最悪の場合は営業停止という事態にも陥りかねません。そのためすべての飲食店は「食品衛生責任者」を設置することが求められている訳です。
「食品衛生責任者」には以下のいずれかの資格を有している者になります。
「食品衛生責任者」になることのできる資格
- 食品衛生監視員の資格要件を満たす者(医師、歯科医師、薬剤師、獣医師など)
- 食品衛生管理者の資格要件を満たす者
- 栄養士
- 製菓衛生師
- 調理師
- 食鳥処理衛生管理者
- 船舶料理士
- 食品衛生責任者養成講習会の受講者(6時間以上の講習を受けた方)
なお、小さな飲食店の場合には1〜7の資格を有している者を雇い入れることは難しい場合がほとんどです。したがって店長や経営者自身が、「食品衛生責任者養成講習会」を受けることで「食品衛生責任者」の資格を得ることになります。
受講に当たってはテキスト代を含めて10,000円前後が必要となり、具体的な内容としては「食品衛生学(2.5時間)」、「食品衛生法(3時間)」、「公衆衛生学(0.5時間)」及び「確認試験」です。
「食品衛生責任者養成講習会」は各自治体で実施されているため、講習会への参加が必要な方は、自身がお住まいの各自治体のホームページなどで確認してみてください。
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食品安全に関する法令の改正と意義
食品の安全を実現するためには、食品衛生法や食品表示法といった法律を遵守することが大切です。これらは私たちの健康を守るための基盤ともなっています。
しかし、社会の変化や新たな問題が生じると、これらの法律も更新されることがあります。例えば、近年の改正では食品に含まれる添加物の表示基準が見直されることや、アレルギー表示が義務付けられるなどの変更がありました。
また新型コロナウイルスの影響で飲食店では衛生管理が一層重要になっています。テイクアウトやデリバリーが普及する中で、それらのサービスにおける衛生管理の方法も新たな課題として浮上しています。
さらに広い視点では、SDGs(持続可能な社会)を目指す上で、食品ロスの削減は環境問題としても重要なテーマとなっています。食品を無駄にしないことは、地球の資源を守るためにも必要な行動です。
このように飲食店経営をする上では食品安全に厳しい環境になってきており、法令に従って食品管理を実施していくことは今後、飲食店経営を行っていくすべての人にとってビジネス的な側面から考えても重要な要素となっています。
食品安全に関する情報や法律の変更は、飲食店経営者や食品衛生責任者にとって欠かせない知識です。しかし、これらの情報を日々の業務にどう取り入れ、管理するかが大きな課題となっています。
次の章で、その具体的な方法や重要性について詳しく説明していきます。
食品衛生責任者の情報管理
ここまでは「食品衛生責任者」の基本的な情報についてお伝えしてきました。
「食品衛生責任者」に有効期限はないため、一度取得すれば一生使うことのできる資格となりますが、注意しなければならないのは、食品衛生に関わる法律や法令の変更などへの対応です。
飲食店の経営者や「食品衛生責任者」は日々、食品に関する新たなルールや食品の安全に関する情報を学んでいく必要があります。
実際、多くの自治体が実務に就いている者を対象に「食品衛生責任者実務講習会」への受講を実質的に義務づけています。
このことからも分かるように、飲食店の経営者は、毎日のように新しいルールや食品の安全に関する情報を学ぶ必要があります。特に、食品の安全を守る「食品衛生責任者」としての仕事をしている従業員は、その情報をしっかりと把握し、店舗の運営に活かさなければなりません。
しかし、これらの情報はとても多く、上手に整理して管理することが困難です。そこで役立つのが、お店の運営を円滑に進めるための「店舗情報管理システム」です。システムを導入することで食品衛生責任者やお店の許可や届け出、スタッフの資格など、さまざまな情報を一つの場所でまとめて管理することができます。
さらに、契約書や申し込みの書類などもコンピューター上で整理できるので、手間やコストを節約することができます。経営者として、新しい情報をしっかりと学び、それをお店の運営に取り入れることは、顧客からの信頼を得るためにとても重要です。そして、その信頼がお店の成功へとつながる大きなポイントとなります。
次は、この情報管理がなぜ食品安全にとって欠かせないのか、その深い関連性について詳しく解説していきます。
情報管理を迅速・正確に行うためには
さて、ここまでに述べてきたように「食品安全」を巡る世間の目はより一層厳しくなってきています。こうした中で、「食品衛生責任者」が果たす役割はますます大きいものとなっています。衛生管理を強化することでお客様にとって安全なお店作りや、法令を遵守しながら事業活動を展開していくためには、情報管理が何より重要になります。
例えば食品安全の法令は、社会の変化や新たな課題に応じて更新されるため、飲食店経営者は常に最新の情報をキャッチアップする必要があります。
先にお伝えした通り、新型コロナウイルスの影響で、衛生管理の強化やテイクアウト・デリバリーの普及が進んでおり、これらの新しい動きに対応するための情報管理も求められています。また、食品ロス削減の取り組みなど、環境問題への対応も飲食店経営の新たな課題として浮上しています。
このように飲食店を経営する上で生み出される膨大な情報を整理することで、食品衛生の管理を強化することもできます。また小規模飲食店の多くは、店長や経営者自らが「食品衛生責任者」としての仕事に当たることになります。こうした場合、店舗マネジメントをしながら、「食品衛生責任者」としての仕事に取り組むことになり、非常に多くの労力を要することになります。
こうした背景から、膨大な情報を効率的に管理するためには、店舗情報管理システムの導入が推奨されます。システムを活用することで、食品衛生責任者が作成した書類など、各種情報を一元管理し、迅速正確な対応が可能となるためです。
なお、弊社では膨大な店舗経営に関する情報を一元管理し、業務効率化を強力に後押しする「Pro-Sign」を提供しています。ぜひ、活用をご検討ください。
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