フランチャイズ契約で起こるトラブルとその対策とは？３つの事例を基に解説します

フランチャイズ契約は、多店舗展開をする上で効率的に業績を高めるための戦略として有効な選択肢であると言えます。ただし、フランチャイズ契約には予想外のトラブルが潜んでいることもあります。

例えばフランチャイズ契約に関する知識不足や、フランチャイズ本部（FC本部）と加盟店の認識のズレなど、契約の根幹部分にトラブルの原因となりえる要素が多くあります。

そこでこの記事では、フランチャイズ契約で発生するトラブルを具体的な事例と共に取り上げ、その対策をお伝えします。フランチャイズ契約を既に結んでいるオーナーにとっても、これからフランチャイズ契約を結ぶことを考えているオーナーにとっても、有益な内容になっていますので是非最後までお読み下さい。
 
まずはフランチャイズ契約におけるFC本部と加盟店とのコミュニケーションの重要性から解説していきます。

※フランチャイズ契約とは？については下記をチェックしてみてください

フランチャイズ契約で「コミュニケーション」が大切な理由

フランチャイズ契約は企業が自社のビジネスモデルを拡大する上で大きな投資を必要とせず、リスクを抑えながらビジネスを展開できる点で有利とされています。

しかし、その一方でフランチャイズ契約には、FC本部の高度な情報管理スキルが求められます。例えば、加盟店舗数が増えてきた場合、店舗ごとの業績にバラつきが発生します。

これを解決するためには、FC本部が各店舗の情報をしっかりと管理し、業績の高い店舗のノウハウや知見を低業績店舗へと正しく共有することが必要になります。

そして、FC本部が各加盟店の情報管理を確実・円滑に行うためには、その土台となる加盟店の店長との信頼構築が非常に大切になってきます。この土台となる信頼関係を築くためにも、FC本部と加盟店との間で、日頃から密にコミュニケーションを取り、情報を共有する体制を整えておくことが求められます。

これがフランチャイズ契約において、FC本部と加盟店とのコミュニケーションが何よりも重要な理由です。

このようにフランチャイズ契約の価値を最大限に引き出すためには、本部と加盟店の間の信頼関係と、情報共有が必要となります。そして、このコミュニケーションを怠ってしまえば、トラブルに発展してしまう場合が多くあります。

では、フランチャイズ契約において実際にどんなトラブルが発生するのか、ということを具体的にご紹介していきます。

フランチャイズ契約で頻発するトラブル３選

フランチャイズ契約が円滑に進めば、企業オーナーと加盟店の両者にとって大きなメリットが得られます。一方で、フランチャイズ契約が上手くいかないときには、金銭的問題や本部と加盟店の契約に対する認識の違いでズレが生じることもあり、至るところにトラブルの種が潜んでいます。

この章ではその中でも発生頻度の高いトラブルを3つご紹介します。

勧誘の際の本部による説明が不十分

フランチャイズ契約をする際、本部は加盟店に対して売上や経費、利益の予測などを含む事業計画書を提示することが通例です。

そして中には、加盟店を増やしたいがために、FC本部が勧誘の際に、売上予測値を大幅に上方修正している事例や、契約後にかかる費用について十分な説明を行わないまま契約を結ばせようとする事例が見受けられます。

しかし、このように現実と乖離した情報を元に契約を結んでしまうと、その後の店舗運営の中でトラブル発生要因となってしまいます。

こうしたトラブルを防ぐためにも、加盟店側も複数のFC本部の説明を比較・検討し、自身が出店する業界についての相場観を持っておくことが必要となります。

FC本部による支援体制が不十分

フランチャイズ契約では、基本的に本部から加盟店に対しマニュアルやノウハウの提供義務が生じます。そのためフランチャイズ契約は、経験が薄い加盟店にとっては魅力的な戦略であると言えます。

しかし、FC本部の中には、不十分な支援や指導をするところもあり、これがクレームなどのトラブルに発展するケースがあります。

したがって、フランチャイズ契約を結ぶ前に「どの程度の支援体制があるのか」、あるいは「どのぐらいの頻度でサポートをしてくれるのか」などといった点をしっかり確認しておくことが必要になります。

契約違反に対する違約金や損害賠償請求

加盟店がフランチャイズ契約を何らかの理由で辞めたいと申し出たとき、その事由によって違約金の支払いが起こる可能性もあります。契約解除の事由としては、思うように業績が上がらない経営不振や、健康問題といったプライベートな理由も考えられるでしょう。

こうした場合、契約の内容によっては違約金が発生することがあります。事前にどのような場合に違約金が発生するのか、確認しておく必要があるでしょう。

また最近では、アルバイトなどの従業員による不祥事で、企業ブランドのイメージ低下を招く事案も発生しています。特に、インターネットが普及した現代社会においては、アルバイトが軽い気持ちで動画や画像を投稿し、問題があると感じた顧客がそれをさらに広めることで、FC本部のブランドイメージが損なわれてしまう事例が多くなっています。

この場合、FC本部が加盟店の従業員に対し、損害賠償を請求することもあります。
 
このようなトラブルに陥らないように、加盟店はFC本部と十分なコミュニケーションをとり、本部の方でも予防策を十分に考えておく必要があると言えます。

以上、頻度の高いトラブルを3つご紹介いたしました。
トラブルの具体的な内容を見ても、FC本部と加盟店との間のコミュニケーションを密に取ることがいかに大切であるとお分かり頂けたかと思います。

そして、コミュニケーションを円滑に進めていくためにも、日頃から資料や記録をしっかりと残し、FC本部と加盟店の間で共有しておくことも大切であると言えます。

最後の章では、FC本部がトラブルを予防し、フランチャイズ契約を円滑に進めるための方法を説明していきます。

フランチャイズ契約のトラブルを未然に防ぐためには

フランチャイズ契約を成功に導くためには、本部と加盟店の密なコミュニケーションと情報管理が欠かせません。その中で両者の間で契約への理解を共有し、その期待値を一致させることが必要です。

そのためにFC本部が定期的に説明会や研修を開催し、質疑応答の機会を多く設けるなど、積極的な情報共有が重要になります。また、日頃からすべての会議や会話、決定事項の記録を整理し、保存することも大切です。

こういった情報は、FC本部が各店舗の運営状況を正確に把握し、問題を早期に発見、対処するための大切な情報源となるためです。例えば、ある店舗で問題が発生していることをいち早く把握することができれば、FC本部が持っているノウハウや知見を活用して、早期に改善を図ることができるかもしれません。

このように、フランチャイズ契約におけるトラブルを未然に防ぎ、多店舗展開を効率的に実施していくためには各店舗との密なコミュニケーションと、その基盤となる情報の一元管理が重要になります。

弊社では、多店舗展開を行う際の情報の一元化に役立つ「Pro-Sign」というツールをご案内しています。上記のようなコミュニケーション履歴も全て残せる仕様となっておりますので、ぜひ、Pro-Signの活用による業務効率化を検討してみてください。