飲食店経営者必見!防火管理者と防災管理者の違いを解説!必要な届出とは?
飲食店を経営する際には、法律や規制を遵守することが求められます。その中でも特に重要なのが、「防火管理者」と「防災管理者」です。
これらは消防法で定められた資格であり、それぞれが果たす役割は異なります。しかし、これらの資格の違いや役割を理解している経営者は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、防火管理者と防災管理者の違い、それぞれの役割、そしてどのような場合にどちらの資格が必要となるのかを詳しく解説します。また、これらの資格を持つことで必要となる届出についても触れます。
ぜひこの機会に防火管理者と防災管理者の違いをご理解いただき、適切な対策を講じてください。
それではさっそく、防火管理者からみていきましょう。
目次[非表示]
防火管理者とは?
防火管理者とは、消防法で定められた資格を持つ者で、防火対象物の管理・予防・消防活動を行う役割を担っています。具体的には、自分たちの職場を自分たちで守るという基本原則のもと、火の危険から人命・建物を防ぎ、従業員の指揮監督に努める人のことを指します。
防火管理者が必要となる建物や選任要件は、経営する店舗の種類で異なります。たとえば飲食店では30人以上の収容人員がある場合には、防火管理者を置くことが求められます。
防火管理者の資格は、指定された講習を受けることで取得できます。この講習では、火災の予防方法や消火設備の操作方法、火災発生時の適切な対応などが学ばれます。また、防火管理者は定期的な研修を受けることで、最新の知識を身につけます。
しかし、防火管理者だけでは対応できない災害も存在します。それが火災以外の災害、つまり地震や津波などです。これらの災害に対応するために、「防災管理者」が設けられています。
次の章では、防災管理者について詳しく解説します。
※併せて読みたい
防災管理者とは?
防災管理者は、災害発生時の適切な対応や従業員の指揮監督に努める人のことを指します。
設置要件としては、11階(地階を除く)以上、10,000㎡より大きな建物などで経営される飲食店などにおいて選任されます。[注1]
防災管理者は、防火管理者と同じで消防法で定められた資格を持つ人ですが、その役割は火災以外の災害、つまり地震や津波などの被害軽減に取り組むことです。
防災管理者の資格は、防火管理者(甲種)の資格を持っている人が指定された講習を受けることで取得できます。この講習では、地震や津波などの非常時にどのように対応すべきか、適切な避難方法などを学びます。
また、防災管理者は「防火管理者」も兼任しなければならないとされています。これは防火管理者(甲種)を取得していることが防災管理者取得の受講条件であるためです。したがって、防災管理者を立てるときは、防火管理者を改めて選定する必要はありません。
これまでに説明した防火管理者と防災管理者の役割を理解した上で、それぞれの違いと共通点を把握することが重要です。次の章では、防火管理者と防災管理者の違いと共通点について詳しく解説します。
[注1]大阪市:管理者が必要となる建物とは?
消防法施行令「別表第一」参照
防災管理者と防火管理者の違いと共通点
まずは違いから述べていきます。
防災管理者と防火管理者の違い
防火管理者と防災管理者の違いは、その対応範囲にあります。
防火管理者は火災による被害の防止・軽減を主な役割とするのに対し、防災管理者は地震や津波などに関する被害軽減を主な役割とします。
最初は防火管理者の資格が定められ、そのあとで大きな地震や津波といった災害などに対応する防災管理者が設けられました。特に、大規模・高層の建物の場合は防災管理者が必要となります。
防災管理者と防火管理者の共通点
防火管理者と防災管理者の共通点は、どちらも消防法に基づいた資格であり、施設や建物を災害被害から守る管理責任者であるという点です。また、両資格者は、それぞれが持つ資格により、災害発生時の適切な対応や従業員の指揮監督を行うことが求められます。
これらの違いと共通点を理解することで、自分の経営する飲食店にどの資格が必要なのか、またどのような対策を講じるべきなのかが明確になります。次の章では、これまでに学んだことをまとめ、防火管理者と防災管理者の役割や必要性を再確認します。
防火・防災管理者の届出書類を整理するためには
今回は、防災管理者と防火管理者は異なる資格であり、それぞれの役割や必要性を理解することが大切であることをお伝えしました。
防火管理者は火災による被害の防止・軽減を担い、防災管理者は地震や津波などの火災以外の災害による被害の軽減を担います。また、防火管理者は、事業所のある消防本部に対し、消防計画の届出が必要であるという点も覚えておきましょう。
※併せて読みたい
飲食店の経営者は、公的機関へ提出しなければならない届出書類が多く、その管理は大変です。しかし、適切なツールを活用することで、これらの手続きをスムーズに行うことができます。
弊社が提供する「Pro-Sign」は、そのサポートとなるツールです。このシステムを活用すれば、飲食店の書類届出整理など、情報一元化により経営をスムーズに進めることができます。
ぜひ、ご活用してみてください。