店舗賃貸借契約書とは?記載すべき項目や注意点を解説!

事業用の店舗やオフィスを借りる場合、「店舗賃貸借契約書」と呼ばれる契約書を作成します。店舗賃貸借契約書には、どのような項目を記載すればよいのでしょうか。また、店舗賃貸借契約書を作成するときの注意点は何でしょうか。

本記事では、店舗賃貸借契約書の基本や記載すべき項目、作成時の注意点を分かりやすく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.店舗賃貸借契約書とは?事業用の店舗やオフィスを借りるための契約書のこと
  2. 2.店舗賃貸借契約書に記載すべき7つの項目
    1. 2.1.店舗の表示
    2. 2.2.店舗の用途
    3. 2.3.賃料・保証金
    4. 2.4.賃貸借期間
    5. 2.5.契約の更新
    6. 2.6.原状回復
    7. 2.7.解除
  3. 3.店舗賃貸借契約書を作成するときの注意点
    1. 3.1.法令上の用途制限を受けないか
    2. 3.2.居抜き物件の場合は設備が残るのか
    3. 3.3.原状回復義務はどこまで負うか
  4. 4.店舗賃貸借契約書の種類や記載項目を知り、正しく契約を締結しよう



店舗賃貸借契約書とは?事業用の店舗やオフィスを借りるための契約書のこと

店舗賃貸借契約書とは、事業用の店舗やオフィスを借りるときに作成する契約書を指します。店舗賃貸借契約書で取り交わす契約には、普通賃貸借契約と定期借家契約の2種類があります。


契約種別
契約の特徴
契約方法
契約更新
中途解約
普通賃貸借契約
賃料や礼金、保証金などの条件を決め、建物を貸し出す一般的な賃貸借契約

書面、口頭の

いずれも可


特段の理由がない限り更新され、自動的に契約が更新される「法定更新」の仕組みもある

契約の定めによっては、中途解約が認められる




定期借家契約




あらかじめ契約期間が定められた賃貸借契約

書面のみ

(法改正後、電磁的記録を用いた契約も含む)

契約更新はなく、契約満了の時点で賃貸借契約が終了する
原則として、中途解約は認められない


定期借家契約と違い、普通賃貸借契約は書面、口頭のいずれの方法でも契約を締結できます。しかし、契約を巡るトラブル予防のため、普通賃貸借契約においても店舗賃貸借契約書を取り交わすことが一般的です。

なお、店舗賃貸借契約書には、民法のルールに加えて、借地借家法(しゃくちしゃっかほう)という特別法のルールが関わっています。借地借家法は、貸主に比べて立場の弱い借主を保護するための法律です。

しかし、事業用の建物の賃貸借契約の場合、借主はそれほど強力に保護されているわけではありません。店舗賃貸借契約書を取り交わすときは、きちんと記載項目に目を通し、自分にとって不利な内容が含まれていないか確認することが大切です。


店舗賃貸借契約書に記載すべき7つの項目

店舗賃貸借契約書に記載すべき項目は7つあります。初めて店舗賃貸借契約書を作成する人は、必要な項目を確認し、あらかじめ契約書のひな形を作っておくことをおすすめします。


店舗の表示

契約書の冒頭に、店舗の所在地、構造、床面積などの基本的な事柄を「店舗の表示」として記載します。


店舗の用途

倉庫、オフィス、販売店、事務所など、店舗をどのような目的で借りるのかを明示します。契約上、契約書に記載した用途以外の目的で、店舗を使用することはできません。


賃料・保証金

賃貸借の対価として、借主が貸主に支払う賃料を取り決めます。また、保証金を設ける場合は、保証金の項目も用意します。居住用の物件と違って、事業用の物件の保証金は高額になる傾向があるため、トラブル防止のために必ず金額を明示しておきましょう。


賃貸借期間

建物を貸し出す期間を「賃貸借期間」として明確に記載します。「令和●●年●月●日から●年間」など、契約の起点も記載しておくと内容が分かりやすくなります。特に契約期間に定めのある定期借家契約の場合、賃貸借期間を忘れずに記載することが大切です。


契約の更新

普通賃貸借契約の場合、特段の理由がない限り契約を更新することができます。契約の更新の項目では、契約更新の際の更新料を記載します。

また、借地借家法には法定更新の仕組みがあります。契約満了の6カ月前までに貸主・借主の申し入れがない場合、賃貸借契約は自動で更新されます。そのため、契約更新に関するトラブルを避けるため、契約更新を希望しない場合は「契約満了の6カ月前までに通知する」旨を明文化しておきましょう。


原状回復

契約満了後の建物の原状回復についてのルールを記載します。店舗賃貸借契約書では、借主側が原状回復義務を負うことが一般的です。借主は契約成立時の状態(=原状)に戻した上で、貸主に遅滞なく建物を返還する必要があります。


解除

借主側に著しい債務不履行がみられる場合、貸主は契約を解除できます。解除の項目では、貸主が契約を無催告解除(一方的に解除すること)できる条件を記載します。例えば、借主の家賃未納が数カ月つづく場合や、借主が貸主の同意なく建物を転貸したり、工事を行ったりした場合に債務不履行とみなすことができます。


店舗賃貸借契約書を作成するときの注意点

店舗賃貸借契約書を作成するときの注意点は3つあります。貸主・借主の双方が以下のポイントをよく確認し、契約内容について認識の齟齬をなくすことが大切です。

  • 法令上の用途制限を受けないか
  • 居抜き物件の場合は設備が残るのか
  • 原状回復義務はどこまで負うか


法令上の用途制限を受けないか

都市計画法や建築基準法、消防法などの法令によって、建物の用途に制限がある場合があります。店舗賃貸借契約書を作成する場合は、店舗の用途が法令に違反していないか、必ずリーガルチェックを実施しましょう。

また、マンションの一室を事務所などの用途で借りる場合は、管理組合の規約にも目を通し、事業目的に使える部屋かどうかを確認しましょう。


居抜き物件の場合は設備が残るのか

事業用の建物のなかには、前のテナントの設備がそのまま残った「居抜き物件」もあります。しかし、居抜き物件といっても、内外装、什器、家具、調度類がどこまで残っているかは物件によって異なります。居抜き物件によっては、以前の借主が設備を全て売却しており、ごく基本的な内装しか残っていないケースもあります。

そのため、居抜き物件の店舗賃貸借契約書を作成する場合は、残っている設備について詳しく明記しておくことが大切です。


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原状回復義務はどこまで負うか

前述のとおり、店舗賃貸借契約書では、借主側が原状回復義務を負うことが一般的です。しかし、「借主がどこまで原状回復義務を負うか」「借主がどの程度の費用負担を行うか」は貸主・借主の間で解釈が分かれることがあります。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などを参考にしながら、原状回復の費用負担の基準についてはっきりと取り決めましょう。

また、賃借中の建物のメンテナンスの義務についても、契約を締結する段階で明確化しておきたいポイントです。一般的に、建物の設備(最初から取り付けられているもの)のメンテナンスは貸主、建物の造作物(借主が後で取り付けたもの)のメンテナンスは借主が負います。一方、貸主が特約事項を設定し、建物の設備のメンテナンスも借主側が負うこともあります。借主はどのようなメンテナンスを年何回行うべきなのか、契約書で明確に取り決めておくことが大切です。

参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」


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店舗賃貸借契約書の種類や記載項目を知り、正しく契約を締結しよう

店舗賃貸借契約書は、ビジネスシーンでよく見かける契約書の一つで、事業用の店舗やオフィスを借りる際に作成します。店舗賃貸借契約書では、普通賃貸借契約と定期借家契約の2種類の契約を取り交わすことができるため、それぞれの違いを確認しておきましょう。

店舗賃貸借契約書には、店舗の表示、店舗の用途、賃料や保証金、賃貸借期間、契約の更新、原状回復、解除などの項目を記載します。契約トラブルを未然に防止するため、貸主・借主の双方が契約内容を確認し、認識の齟齬をなくすことが大切です。



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